人生悠然

庶民のなかの仏教

生きるとは何か - No.88 2019年9月1日発行

1.庶民に愛される円空 江戸時代に庶民の中に仏の教えを広めるために、一人の僧侶が、素朴な木彫の仏像や神像を各地の寺や神社に奉納し、さらには村人の求めに応じて小さな仏像を与え、それが村のお堂に祀られています。 遊行の僧円空(1632~95)は1666年以降、30年各地を巡って修業を続け、造仏に励み、生涯で12万体の仏像を […]

心は電気仕掛け

生きるとは何か - No.92 2019年8月10日発行

 「心の寿命は一瞬です」というスマナサーラ長老の言葉を科学的視点から理解するためにまとめた資料です。 1. 心はどんなもの 心はどんなものかと問われれば、形もなければ匂いもない、身体のどこにあるかと考えてみると脳にあるのでしょうと答えると思います。私達はいつも何かを知覚して、その意味を思考し、行動に移しています。瞬間的 […]

塵も積もれば山となる

生きるとは何か - No.93 2019年8月3日発行

 1.一瞬先はわからない人生 7月末に初めて本を出版しました。その本を手にしたときに、ささやかな努力の跡が、そこには目に見える形であるのを実感できました。小さなことでも、目的を持って継続することで何らかの結果がでるものだと思いました。長年にわたり続けることができたことは、本当に幸せなことであるとも気づきました。考えてみ […]

仏教はどのように伝来したか

生きるとは何か - No.4 2019年7月1日発行

1.仏教の原点をふり返ってみる 自分の心の中を覗いて見たことがありますか。頭の中では、常に考えが浮かんでは消え浮かんでは消えています。その内容も、あっちに飛び、こっちに飛んで捉えどころがありません。足を組み、背筋を伸ばし、姿勢を整えて、意識を呼吸に集中していても、すぐに全く別の思いや思考が割り込んでくる経験はあると思い […]

人生の意味を問う(2)

日々のこと - No.4 2019年6月16日発行

病気や事故、自然災害などで親しい人を亡くした時、深い悲しみや無常観を感じ、気力も落ち込みます。どのような原因であろうとも、あらゆるものからやがては離れることになるのは、自然の摂理からすると当然のことが起きているだけです。冷静に次のやるべきことを、淡々と理性的に行動に移すべきですと言うと、世の中では人情も、哀れみもない冷 […]

人生の意味を問う

日々のこと - No.3 2019年6月8日発行

人は何のために生まれてくるかとの問いは、永遠のテーマとして昔からあります。川崎市で起きた中年男性の小学生殺傷事件や、幼い子供への両親の虐待など痛ましい多くの事件を聞くにつけ、生きる意味など問うこと自体が空しく思えてくる状況です。人は生まれる時に、どんな環境(国、地域、家庭など)で誕生したかで、自身ではどうすることもでき […]

出家者とは名ばかり

日々のこと - No.2 2019年6月3日発行

6月1日の91回目の輪読会でテーマにしたのは、現代日本仏教界の堕落を嘆いている高野山真言宗管長の宗派内の機関誌(六大新報、2006年新年号・巻頭文)に寄稿している内容に驚いたからです。 「今、我ら高祖の末徒を称したる者の様たるや如何? 真言行人に三蜜の鍵もて庫を開けたる者なく、顕薬施して塵苦を払ふの人も無し。ただ手に蜜 […]

無常とはエントロピーのこと

日々のこと - No.1 2019年6月1日発行

仏教を語るスマナサーラ長老の文章の中に「モノではなく機能に注目する」という言葉が出て来て、そこで語られるのは、エントロピーのことでした。宇宙が膨張過程にある今は、いつでもエントロピーが働いています。エネルギーはいつでも発散してばらまかれていて、止まらないのですと。仏教で無常と言っているのは、このエントロピーのことですと […]

日本の伝統と神道

生きるとは何か - No.89 2019年6月1日発行

1 新元号に思う 平成31年4月1日に新元号が「令和」と発表されると、少しの驚きをもって多くの人たちの喜ぶ表情がテレビで放映されていました。平成は、天皇の崩御により改元され、悲しみの中にあって迎えたので、新元号に対する感情は控えめで、静かに新しい時代を迎えた印象が残っています。しかし、今回は皇位継承に先立ってなされ、新 […]

身体は粒子の集合体

生きるとは何か - No.76 2019年5月1日発行

今を生きるしかない生命  平成30年も既に一カ月が過ぎましたが、多分、誰しも時間の過ぎるのは何と早いことかと気付いていると思います。私は、自身の体について1年を振りかえって見ると、体力も容貌も確実に変化して、有限な時間が一日一日と確実に減っていることを感じます。突き詰めれば、この身体は、留まることなく変わっているのです […]