人生悠然

人生の意味を問う

日々のこと - No.3 2019年6月8日発行

人は何のために生まれてくるかとの問いは、永遠のテーマとして昔からあります。川崎市で起きた中年男性の小学生殺傷事件や、幼い子供への両親の虐待など痛ましい多くの事件を聞くにつけ、生きる意味など問うこと自体が空しく思えてくる状況です。人は生まれる時に、どんな環境(国、地域、家庭など)で誕生したかで、自身ではどうすることもでき […]

出家者とは名ばかり

日々のこと - No.2 2019年6月3日発行

6月1日の91回目の輪読会でテーマにしたのは、現代日本仏教界の堕落を嘆いている高野山真言宗管長の宗派内の機関誌(六大新報、2006年新年号・巻頭文)に寄稿している内容に驚いたからです。 「今、我ら高祖の末徒を称したる者の様たるや如何? 真言行人に三蜜の鍵もて庫を開けたる者なく、顕薬施して塵苦を払ふの人も無し。ただ手に蜜 […]

無常とはエントロピーのこと

日々のこと - No.1 2019年6月1日発行

仏教を語るスマナサーラ長老の文章の中に「モノではなく機能に注目する」という言葉が出て来て、そこで語られるのは、エントロピーのことでした。宇宙が膨張過程にある今は、いつでもエントロピーが働いています。エネルギーはいつでも発散してばらまかれていて、止まらないのですと。仏教で無常と言っているのは、このエントロピーのことですと […]

日本の伝統と神道

生きるとは何か - No.89 2019年6月1日発行

1 新元号に思う 平成31年4月1日に新元号が「令和」と発表されると、少しの驚きをもって多くの人たちの喜ぶ表情がテレビで放映されていました。平成は、天皇の崩御により改元され、悲しみの中にあって迎えたので、新元号に対する感情は控えめで、静かに新しい時代を迎えた印象が残っています。しかし、今回は皇位継承に先立ってなされ、新 […]

身体は無常の流れ

生きるとは何か - No.2 2019年4月1日発行

日常、私達が見ている世界にあるものは、実際に在る物(実相、物質)として認識しています。山や川など姿、形は変わっても過去から未来まで存在すると思っています。我々人間を含めて身の回りの動物や植物など、存在するものは絶えず変化していることは分かっているが、この私という実体は変わらずあると感じます。仏教が教える基本に「諸行無常 […]

身体は粒子の集合体

生きるとは何か - No.76 2019年5月1日発行

今を生きるしかない生命  平成30年も既に一カ月が過ぎましたが、多分、誰しも時間の過ぎるのは何と早いことかと気付いていると思います。私は、自身の体について1年を振りかえって見ると、体力も容貌も確実に変化して、有限な時間が一日一日と確実に減っていることを感じます。突き詰めれば、この身体は、留まることなく変わっているのです […]